最上川を清川で上陸した芭蕉は、熱心な参拝者で賑わったであろう道を羽黒山へ。羽黒山山域に入ると別当代会覚阿闍梨に宿泊の許可をもらい、「南谷別院」に荷をおろしました。到着の翌々日、羽黒山の山頂に立つ「出羽三山神社」参りのため身を清め、首に注連(しめ)をかけた芭蕉は、夕刻、羽黒権現を参拝。翌元禄2年6月6日(陽暦1689年7月22日)、いよいよ月山に登り「月山神社」に参拝、山頂で朝を迎えた芭蕉は、「湯殿山神社」へ向け下りました。芭蕉は、湯殿山山中のことは他言が禁じられていると、「筆をとどめて記さず」として、くわしいことは記していません。
ありがたや雪をかをらす南谷芭蕉
涼しさやほの三日月の羽黒山芭蕉
雲の峰いくつ崩れて月の山芭蕉
語られぬ湯殿にぬらす袂かな芭蕉
湯殿山銭踏む道の涙かな曾良
芭蕉が歩いた道のりに、森村誠一&おくのほそ道再生委員会が光を当て、現代、そして未来に残したい名勝地を‘名蕉地’と名付け、ベスト100景をセレクトしました。
芭蕉道認定ガイド「芭蕉人(ばしょうびと)」が旅人をご案内。芭蕉の足跡やご当地グルメなど地域の魅力が詰まった体験プログラム。
寺社・史跡・建造物 、座禅・写経・修行体験 、ヒーリング・セラピー
【修験の道を歩く】羽黒山参拝&ミニトレッキング~国宝や自然に触れながら『生まれ変わり』を感じる一日~芭蕉も訪れた羽黒山。斎館で精進料理の昼食 【芭蕉道】認定プログラム
参加費用 6,000円(往復の交通費は個人負担)
ガイド紹介

伊藤 賢一(山伏名 伊藤秀悦)さん
いでは文化記念館職員。平成14年出羽三山に伝わる山伏の修行『秋の峰入り』を行う。鶴岡市の職員でありながら、羽黒山伏として出羽三山の魅力を紹介。
古くから山岳信仰の場として有名な出羽三山。国宝「羽黒山五重塔」や樹齢350年以上の老杉を抱く羽黒山で皆様をお待ちしております!
芭蕉道を訪れた旅人たちにおすすめの宿、周辺地域で楽しめる体験型プログラムをピックアップしました。より充実した芭蕉道の旅のプランニングにお役立てください。

出羽三山のひとつ羽黒山へと分け入る
山伏姿で迎えてくれたいでは文化記念館・伊藤秀悦氏とともに
最上川を船で下り、清川で上陸した芭蕉は羽黒山(はぐろさん)を目指します。羽黒山、月山(がっさん)、湯殿山(ゆどのさん)の出羽三山詣では、室町時代にはじまり、江戸期には多いときで三山合計で年間10万人以上が詣でたことも。その中心である羽黒山の山上には32坊、108の堂舎、手向村(とうげむら)には360もの坊が立ち並んでいたといいます。夏は三山詣でのピーク。芭蕉も熱心な参拝者とともに、道中を歩いたことでしょう。手向村で図司左吉(ずしさきち)こと俳人の呂丸(ろがん)を訪ねた芭蕉は、彼の紹介で別当代会覚阿闍梨(えがくあじゃり)に会いました。会覚阿闍梨に許可を得た芭蕉は、南谷の別当寺別院を宿とし、6月3日~9日うち6日の月山泊をのぞき6泊しています。翌日の4日、会覚阿闍梨の住まいである本坊で連句会が催され、芭蕉は発句として「ありがたや雪をかをらす南谷」と詠みました。
真冬の山頂にて祈祷をうける
出羽三山神社
森村師匠はじめ一行全員で三神合祭殿にてご祈祷をうけました
3月初旬ですが、羽黒山山頂付近は雪景色
2009年3月11日、吹雪のなか、最上川を下った森村誠一師匠一行。芭蕉が上陸した清川の「清川関跡」を訪ね、羽黒山へと向かいました。3月とはいえ雪の残る庄内地方。標高414mの頂上付近は雪の世界でした。バスを降りた一行をひとりの山伏が待ち受けていました。いでは文化記念館・伊藤秀悦氏です。伊藤さんの先導で、赤い鳥居をくぐり、左手に日本で3番目に古いと言われる梵鐘・大鐘(おおがね)を見ながら出羽三山神社三神合祭殿へ向かいました。いったん三神合祭殿と長い廊下でつながる斎館へ。江戸期の宿坊の遺構として唯一残る静寂に包まれた建物で、伝統の精進料理をいただきました。その後、三神合祭殿にてご祈祷をいただいた一行。出羽三山 権乃宮司・宮野直生氏とお会いし、しばし歓談しました。
老杉の森に囲まれ風雪に耐え続けた偉容
五重塔
神橋から静まりかえる参道付近を眺める
五重塔の前にて。質素かつ優美な姿が独特の存在感を放つ
表参道への入口となる随神門。ここから先が神域となる
山頂から出羽三山神社の表玄関である随神門へと戻りました。ここから国宝の五重塔をめざします。門をくぐると継子坂と呼ばれる下りの石段に。ところどころに雪を残す石段を一同慎重に降りていきます。間もなく沢に出て朱塗りの神橋を渡ると、左手に五重塔が見えてきます。季節柄訪れる人もない参道で、慣れぬ雪に足をとられながら五重塔へとたどりついた一行。天をつくようにそびえる老杉に囲まれた五重塔は、近づくにつれ均整のとれた雄大な姿を印象づけます。室町初期の遺構は、素木造りのこけら葺き。その素朴なたたずまいが、降り積もった雪となじみつつ、独特の存在感を放っていました。

森村誠一(もりむら せいいち)
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒業後、10年間のホテルマン生活を経て作家活動に入る。『高層の死角』(第15回江戸川乱歩賞受賞)、『腐蝕の構造』(第26回日本推理作家協会賞受賞)、『人間の証明』(第3回角川小説賞受賞)『悪魔の飽食』『コールガール』など数多くのベストセラー作品を著し、本格派推理小説の世界で不動の地位を築く。作家活動40周年にあたる2003年には、第7回日本ミステリー文学大賞を受賞した。
近年は、新たな表現として“写真俳句”の創作、普及にも力を注いでいる。
公式HPアドレス http://www.morimuraseiichi.com/
森村誠一写真俳句館 http://www1.tategaki.jp/morimura/














